修行はつづくよ

じつは、田舎から帰る道中、私は助手席でじめじめと泣いていた。
 
「ヨメ」としてするべき当然のことが、まったくできていなかった。
じぶんの不甲斐なさにウンザリする。いつまでコドモのつもりなんだろう。甘えるのもほどほどにしなくてはいけない。自覚が足りないんだ。私はもうじゅうぶんすぎるくらいオトナとして見られてしまう立場なのだから。
となりにいる人は、ちゃんと分かっていた。分かったうえでの行動だった。私はそこに気づけなかった。じぶんのことで頭がいっぱいで。でもそれは理由にはならない。わかってる、だけど、だけど。
口をひらけば涙が出てくる。なんで泣いてるのかももう分からない。ただ、ずっと泣きたくて、泣けなくて、ここまで来てしまったような。そうやって涙を流すことで伝えられなかった気持ちの帳尻を合わせてるような気もする。めんどうくさくてごめんねと思う。ほんとうに。
やっと口にした言葉に相手は驚いていた。「え、そのことでさめざめと泣いてたの!? 俺の言葉が響いたからじゃなくて??」「ちがう。それは反省したけど今は、ていうか今朝から私はこのことでずっと頭がいっぱいだった」「そうなの!?」
・・・言葉にしなきゃいけないなあと思う。そもそもの発端も、私のコミュニケーション不足が原因だった。分かって欲しいんなら、きちんと言葉にして伝えることだ。それは私がとても苦手にしていることだけど、努力して向き合わなければいけないところだと思う。 
 
修行だ。生きてるかぎり、修行。私は、少しは変われたんだろうか。途方に暮れたり希望を抱いたり。上がったり下がったり繰り返しながらも、ちょっとでも前に進んでいますように。